吉原 路子さん Yoshihara Michiko
確かな分析試験の先には、
正確な情報をもとに
食品選択できる
社会があります。
(一社)日本食品分析センター
受託サービス部 課長
吉原 路子さん Yoshihara Michiko
1990年
女子栄養大学
栄養学部栄養学科栄養科学専攻卒業
1990年、財団法人日本食品分析センターに入所、試験受託の受付部門に配属。1999年10月に業務開発課に異動し、営業?広報活動を中心とする業務に従事。法人改革制度のため、組織は財団法人から一般財団法人へと移行、その後内部組織の改革などに伴い、お客様サービス部 業務推進課に配属。2013年に同部 業務推進課課長、2019年より現職。この間、活動の場は個別の企業から業界団体?学会組織へと広がった。現在は、社会人生活第一幕の終盤と、第二幕の始まりをどのように迎えるか計画中。
お客様のご要望にトータルでお応えするおもしろさがある
日本食品分析センターは、中立?公正な立場で分析試験を行う民間団体です。分析対象は、食品、飼料、肥料、飲料水、医薬品、家庭用品など多岐にわたります。確かな技術で分析の質を確保することには、人々の健康と安全を支える社会的使命もあります。現在、私は受託サービス部門の管理職として、コーディネーターの仕事をしています。実験が好きで選んだ職場でしたので、入社当時は分析部門(ラボ)を希望していましたが、実際の配属はお客様からの依頼や相談の受付部門。そこでの仕事を通して、自ら分析を行うよりも、分析のことを理解した上で、お客様に説明する仕事のおもしろさに気付きました。受付部門の後、企業向けの営業の仕事を経て、現在はメールマガジンの作成や講演会?イベントの企画?実施なども行っています。食品分析は、単なる分析結果の提示ではなく、食品の特性や分析の目的を的確にとらえ、設定することで、お客様の課題解決へとつながるご提案を行う仕事です。そこには、分析試験に付随する周辺情報までをしっかりつかみ、ご要望にお応えできる形にまとめていくおもしろさがあります。
分析の基本的なスキルも、食に向き合う姿勢も、
大学時代に身に付いた
就職して、気が付いたことは女子栄養大学の実験?実習のレベルの高さです。実験の手技はさすがに現役の職員にはかないませんが、理論や数字を理解する能力は、ラボの担当者に劣るようなことはありませんでした。大学で基本の理論をしっかり学べたので、お客様への分析試験の説明にも自信をもって取り組むことができました。また、おいしく、楽しく、正しく食べてもらいたいという考えを大学で学び、今も持ち続けています、どうしたら安全で健康に食べられるかを思案し続けられるのも、食を楽しむことや食べることの大切さを大学で学び、食に向き合う姿勢が形作られたからです。
技術の継承も、日本人の食事の背景も、
単純ではないからこそ、上手に伝えたい
分析も、手技がモノをいう時代から、高度な機器を駆使する時代へと変化し、世代によって経験してきた分析環境や修得スキルが異なりますから、技術の継承といっても容易ではありません。だからこそ、時代の変化や機器の進化を見据えたコアとなる部分の見極めと継承が重要になります。現在の日本の食事情を考えると、これまでの食習慣だけでは成立しません。日本の食生活は、古くからの知恵と習慣、時には食品の危害を上手に回避しながら継続してきた食文化に支えられ、食品の法規制もこれらを考慮して制定されています。また、輸入食品のおかげで多彩な食材を利用できる一方で、事情の異なる危害への配慮なども必要となります。家庭での調理には、加工食品が上手に取り入れられてきました。こうした様々な変化が、食品の加工技術を飛躍的に進歩させ、同時に加工技術を支える分析試験に発展をもたらしました。このように多様な事情の融合を通して、より豊かな食生活を楽しめるよう、食品の分析技術を継承しつつ、食品選択に役立つ確かな情報を発信していきたいと思います。